スギ等の植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされる季節性のアレルギー疾患で、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が起こることを総じて花粉症といいます。人によっては喘息に似た症状が出たり、目の周りや首筋など皮膚に炎症が出たり、のどの不快感が出ることもあります。 |
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ヒトの体には元来、異常な物質を体内に取込まないように防御する働きがあります。 これがいわゆる抵抗力、免疫力と呼ばれるもので、外部から侵入する異物(抗原)に対し、これを中和する抗体を作ってブロックしようとします。しかし、その反応が過剰に起こると、不快な症状を次々に引き起こします。これがアレルギー反応と呼ばれるものです。最近の日本人の3人に1人は何らかのアレルギーを有しているといわれています。
花粉症は、くしゃみや鼻水がひどいタイプ、鼻詰まりがひどいタイプ、目のかゆみがひどいタイプなど、症状のでるところも程度も個人により異なります。そうした症状のタイプと重症度により、適した治療(薬剤)なども異なってきます。適切な治療を行ない、つらい時期を快適に過ごすためにも、自己診断に頼らずに一度医療機関で診断や治療をお受けになることをおすすめします。
アレルギーの原因は何らかの物質ですが、現代の社会では複合的にアレルギーを引き起こしていることも少なくありません。血液検査で特定できる原因物質は約150種類以上あります。原因物質がはっきりすれば、生活改善(原因物質を遠ざけること)で、症状が起こることを予防することもできます。一度検査してみてはいかがですか?
原因物質の検索は血液を採取することで検査可能です。
食物アレルゲン | 花粉アレルゲン | 環境アレルゲン | その他 |
14項目 | 9項目 | 4項目 | 6項目 |
1.そば | 1.オオアワガエリ | 1.コナヒョウヒダニ | 1.ペニシリウム |
2.小麦 | 2.ハルガヤ | 2.ハウスダスト | 2.クラドスポリウム |
3.ピーナッツ | 3.カモガヤ | 3.猫皮屑 | 3.カンジダ |
4.大豆 | 4.ブタクサ | 4.犬皮屑 | 4.アルテルナリア |
5.米 | 5.ヨモギ | 5.アスペルギルス | |
6.マグロ | 6.スギ | 6.ラテックス | |
7.サケ | 7.ヒノキ | ||
8.エビ | 8..ハンノキ | ||
9.カニ | 9.シラカンバ | ||
10.チェダーチーズ | |||
11.ミルク | |||
12.牛肉 | |||
13.鶏肉 | |||
14.卵白 |
症状に対する治療(対症療法)として、第二世代抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、化学伝達物質遊離抑制薬などの内服薬や点鼻薬、点眼薬、そして鼻噴霧用ステロイド薬、点眼ステロイド薬が組み合わせられます。 くしゃみ、鼻汁が主体の鼻症状の場合は、第二世代抗ヒスタミン薬や化学伝達物質遊離抑制薬が、鼻づまりが症状の主体である場合には抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬がよい適応となります。より鼻づまりが強い場合には点鼻用血管収縮薬や、時に経口ステロイド薬も使用されます。 花粉の飛散が始まる前から予防的に薬を使いアレルギー反応を抑えることで、症状を軽減されることができます。詳細は御相談ください。