当院では15歳以上(高校生以上)を接種の対象とさせていただいております。
ご了承のほどよろしくお願いいたします。
今年も全国でインフルエンザが流行しています。インフルエンザのピークは例年、1月下旬から3月にかけてです。予防を徹底し、万が一かかったら早期に治療をして症状の早期改善と、感染の拡大を防ぐことが重要です。
インフルエンザの主な症状は38度以上の発熱や頭痛、筋肉痛、のどの痛みなどですが、熱は微熱程度ですが風邪とは違い体の調子がどうも悪い、などという不定愁訴での中にもインフルエンザによることがあります。 国内では推計で毎年約1,000万人が感染するとも言われています。
高齢者で問題となるのは易感染性と重症化です。 体力の衰え、他の病気の合併などにより、かかり易くなるばかりか、かかった場合、重症化しやすくなる傾向があります。病院や老人保健施設で集団感染し、亡くなるケースも後を絶たないのが現状です。
【ワクチン接種のポイント】
① 流行の始まる前とその約1か月後の2回、ワクチンを接種することをお勧めします。ワクチンは発症を完全に防ぐものではありませんが、予防効果は十分ありますし、もしも感染しても重症化を防ぐ効果が認められています。
肺炎球菌は免疫の働きが十分でない高齢者には様々な病気を引き起こします。肺炎、気管支炎等の呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、菌血症などがその例です。髄膜炎や菌血症は65歳以上の高齢者に多く発症することが知られています。一般的に、細菌感染は抗生物質により治療しますが、近年、抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増えています。
肺炎球菌感染症を予防するワクチンとして、高齢者を対象とした23価肺炎球菌多糖体ワクチン(9歳以下の小児を対象とするのは7価肺炎球菌結合型ワクチン)が発売されています。
このワクチンは1回の接種で肺炎球菌の23種類の型に対して免疫をつけることができます。現在90種類以上の肺炎球菌の型が報告されていますが、この23種類の型で成人の肺炎球菌による感染症の80%以上が網羅できるといわれています。
【ワクチン接種のポイント】
① 保険適応:高齢者 ・脾臓の摘出手術を受けた人、心疾患・呼吸器疾患の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患がある人。
② 一度の接種で約5年間予防効果が持続します。再接種は5年以降が目安です。
風疹は一般に三日はしかと呼ばれています。多くの方は子供のころにかかったか、予防接種を受けています。今年は東京都で風疹が大流行していますが、その理由は小児期に予防接種を受けていない人がいること、1979年4月から1987年10月までに生まれた人は法律の変わり目に中学時代を過ごしていて予防接種を受けていない人がほとんどです(自治体によっては、この時期にも予防接種を施行していたところもありますが)。 また、一度かかった方でも、免疫力が弱いと、2度かかることもあります。
風疹が問題となるのは、免疫を持たない妊娠10週までの妊婦のかたが風疹ウイルスに感染すると、90%の胎児に様々な異常を起こす可能性があることです。特に心臓の異常、難聴、白内障などが特徴で、先天性風疹症候群と呼ばれています。胎児に対する影響は妊娠20週目までは注意が必要です。
【ワクチン接種のポイント】
風疹に対する抵抗力は血液検査で抗体値を調べることで見ることができます。
妊娠をお考えの女性の方、そのご家族の方、一度調べてみてはいかがでしょうか?
帯状疱疹の予防
水痘は水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)によってひきおこされる病気です。5歳までに約80%の子どもがかかると言われています。発疹、発熱で始まり、発疹は顔面、胸腹部、頭部に次々に点々と現れ、丘疹、水疱、膿疱、痂皮になります。このウィルスの特徴は、水痘が治癒した後に、体内の神経細胞に長く潜伏感染し、体力低下など免疫力が低下した場合、帯状疱疹として再度発症することがあります。
【副反応】
水痘ワクチンは弱毒生ワクチンです。接種後ウイルスが体内で増えるため、接種後1~3週間ごろ、発熱や発疹が現れることがありますが、一過性で通常数日中に消失します。
【ワクチン接種のポイント】
日本ではいまだ一般的ではありませんが米国では60歳以上の人にはワクチン接種が勧められています。
(www.cdc.gov/vaccines/vpd-vac/shingles/default.htm)
① 帯状疱疹の予防にも、また 帯状疱疹を発症した時の痛みの軽減にも効果があります。
② 帯状疱疹後の神経疼痛の軽減にも効果があります。
③ 以前に水ぼうそうにかかっていない人にも使用できます。