逗子銀座通りクリニック

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7月のトピックス

熱中症 その2

熱中症 その2

暑いですね。 例年になく早く梅雨が明けた2013年夏、連日 熱中症による緊急搬送や死亡例が報告されています。もう一度、予防策を見直してみましょう。

温度と湿度  部屋の中でも外でも、温度管理と湿度管理を!

熱中症は、気温だけでなく、湿度や輻射熱(日差しの強さ)、気流(風)にも注意を払う必要があります。殊に、湿度は大切で、気温がそれほど高くなくても湿度が高いと熱中症にかかる確率が高くなります。湿度とは、湿り気、大気中に含まれる水蒸気の量を言います。 日本では、夏期に湿度が高くなり、気温の低い冬には逆に低くなって乾燥します。日本の環境因子は真夏の高温多湿、これが熱中症の最大原因です。
感覚: 一般的に湿度が70%を超えてくると不快と感じるようになり、80%を超えるとほぼ全員が不快と感じるようになります。 問題はお年寄りで、高齢者ではこの不快と感じる感覚も鈍くなってくるため、湿度が高くなっても不快と感じない人が多くなります。そのため、意識がなくなるまで、熱い部屋の中で過ごしたり、炎天下で仕事をし続けたりして、意識をなくし、救急搬送されることにもなります。
部屋と薄着: 風通しの悪い部屋、閉め切った部屋では気温のみならず、湿度も上がってしまいます。また、厚着や重ね着をしているお年寄りでは、熱がこもってしまい発汗も障害されます。 エアコンがあれば、冷房も除湿も簡単に設定ができますが、ない場合には扇風機などで風を作ることも大切です。
エアコンは嫌いとか、扇風機の風は体に悪いとか、重ね着をしないと風邪をひくからとか、、自分の意見を曲げることができないお年寄りではむつかしいこと間々ありますが、周りからの働きかけがより大切となります。
温度と湿度の数値は?

何度になれば熱中症になるのか? 最近は天気予報に加え熱中症のリスクを色分けして放送している番組も多くみられます。数値には報告によって差があるようですが、大切なのは、ご自分の体調、着衣環境、日光への照射、風通し、水分補給、などなど、いろいろな要因が、からんで熱中症になることを再確認することです。
どんな症状があったら、熱中症を疑うの?

めまい・立ちくらみ・失神(熱失神):発汗による脱水と末梢血管の拡張によって、脳へ循環する血液量が減少した時に、立ちくらみ、めまいが起こります。症状が強い時には意識を失ってしまいます(失神)。体温は正常であることが多く、発汗が見られます。
筋肉痛・筋肉の硬直(熱痙攣):たくさん汗をかいた後に水分だけを補給すると、ナトリウムなどのミネラルが不足し、下肢筋肉が急に痙攣をおこすことがあります。寝ているときに起きるこむら返りと同様、激痛を伴います。体温は正常であることが多く、発汗が見られます。
頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感(熱疲労):多量に発汗した時、水分や電解質の補給が追いつかず、脱水になると、むかつき、全身倦怠感、頭痛、脱力感など様々な症状が起こってきます。汗をかき、体温は38-39oCに上昇します。 
対処

熱中症かなと思ったら、まず冷やすこと、そして塩分を含んだ水を多目に摂取してみましょう。スポーツ飲料など、手軽に取れるものが多く販売されています。水分を摂取しても、症状が持続する様であれば、早めに受診してみましょう。
熱中症 その2


 

日焼け、サンタン、シミ そして 皮膚がん

褐色に焼けた肌、健康的で良いですよね。日焼けも度を過ぎると肌にとっては有害となります。褐色の肌を得るか、美白に専念するか、ちょっと調べてみましょう。

日焼け、サンタン、シミ そして 皮膚がん日焼け、サンタン、シミ そして 皮膚がん

日焼け(sunburn)は、紫外線が皮膚に過剰にあたることで起こってきます。
その字の如く太陽の光で火傷をおうとの意味ですが、多くの皆さんがこの時期、肩や背中、四肢を海辺で焼きすぎて、お風呂にも入れなくなってしまった経験があるのでは? 日焼けの原因は紫外線です。紫外線はその波長の長さにより、長波長紫外線(UVA)、中波長紫外線(UVB)、短波長紫外線(UVC)に分類されますが、このうちUVBが日焼けの原因となります。“サンタンとは、皮膚が褐色となった状態を言い、皮膚にメラニンが通常以上に沈着することで起こります。

メラニンは基底膜にあるメラノサイトという色素産生細胞で作られ、皮膚表面にある表皮細胞内へ運搬されます。表皮細胞内のメラニンは、紫外線が細胞内DNAに損傷を加えないように防御をしていますが、紫外線の量が多くなると、この防御機構が破綻し、細胞に損傷が生じます。通常、細胞損傷が生じても、細胞は自分の力で損傷を修復することができます。ここで問題は、この修復力には個人差、年齢による差も大きいこと、“自分の肌はきれいに戻るから”などと、過信は禁物です。修復できないと皮膚のがん、老化(しわ、シミ、たるみ)の直接原因となっていきます。
症状と経過
日焼けになるか、ならないかは、もともとの皮膚の色、紫外線への被ばく時間、紫外線の強さなどにより異なります。この時期、海へ行って普段焼いていない肌を日光に露出すると、短時間でも火傷になることは少なくありません。
赤くなった、少しヒリヒリする程度であれば問題はないのですが、強い痛みがでてきたり、日焼けた皮膚がむくんで熱くなったり、水泡を生じてきたり、水で冷やしても痛みがあるようになると重症です。水分も蒸散にて取られてしまうため脱水となり、体はだるくなってきます。
光線過敏症とは?
光線過敏症とは、普通には反応を起こさない程度の紫外線量で、炎症反応を起こす皮膚の状態を言います。最も多いのは、ある種の薬を飲んだ後に日光に当たると、あたった場所が赤くなったり発疹を生じたりするもので、光線過敏型薬疹と呼ばれます。薬の副作用の一種です。その他、もともとある疾患が、紫外線で悪くなることもSLEなどではよくみられます。
日焼けの予防

新陳代謝が活発で細胞回転が速ければ日焼けしても短期間で元の肌に戻ります。しかし残念ながらこれは子供のころの話、年齢を重ねるごとに次第に皮膚の回復も遅くなり、ついにはシミ、しわ、たるみの原因となってしまいます。
日焼けの予防はまずひやけ止め。SPF30 とか50とか書いてあるSPFとはSun Protection Factor の頭文字を取ったもので、紫外線を浴びた時、10分で皮膚が赤くなるとするとSPF30の日焼け止めを塗ると、その30倍の時間、すなわち 10x30=300分(5時間)くらいは同じ強さの紫外線に当たっていても赤くならない計算となります。とはいえ、念のため、頻回に重ね塗りするに越したことはありません。
日焼けのアフターケア
1) まず予防
急に直射日光に当たるときは特に時間を限り、過度の日焼けは禁物です。
水に入っていても日焼けすることがあります。サンスクリーン(日焼け止め)はこまめに塗っておきましょう。紫外線予防のシャツなどを着て水に入るのも有効です。
2) それでも赤くヒリヒリ腫れあがってきたら
局所の治療は冷却と保水;早めに冷水、アイスノン、氷などで冷やしましょう。早めの対処が大切です。焼けた皮膚には水分補給の意味で化粧水も有効です。冷水とどれほど違うか、明らかではありませんが、、、 何度もこまめに保水するのがコツの様です。
3) 保水
水分補給をしたら、肌に水分を保つことが大切です。乳液やクリーム、保湿ローションなどで皮膚の表面を覆うと、水分の蒸散が予防できます。
思いもよらず日焼けをしてしまったら?
広範囲に日焼けしてしまったり、水泡になったり、痛くて触れないほど腫れてしまったりしたら、早めに病院で治療を受けることをお勧めします。
日光角化症

紫外線に長年浴び続けて皮膚が損傷から回復できない状態が続くと、日光角化症と呼ばれる皮膚疾患ができることがあります。これは60歳以降の方に多いため、老人性角化症と呼ばれています。

できやすい場所は顔面、頭部など日光が直接当たる場所で、見た目の特徴は表面がかさかさとした、かさぶたの様であったり、赤、黒など細かく混ざり合ったしみのように見えたりします。

この病変が進むと有棘細胞がんと呼ばれる皮膚がんになることがわかってきており、現在、前がん状態としてみなされています。最近、新しい治療薬(軟膏)も出てきていますので、ご心配の方は早めに受診することをお勧めします。