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10月のトピックス

ビタミン剤はどんな効果があるの?

ビタミン剤はどんな効果があるの?

今や食事やお菓子、ファストフードなどと同列に店頭に並べられ、口にされるようになったビタミン剤などのサプリメントですが、気軽に必要な栄養分を接種できることが、最大のメリットです。実際、ビタミン剤には種々の効果があることが認められていますが、保険診療ではビタミン欠乏症以外、適応とならないため、薬局などでサプリメントとしてご自分で購入することになります。

ビタミンの血中濃度の測定は容易ではなく(多くは自費)、症状が出てから治療に入ることも少なくありません。また、体調不良の時にビタミンンを高濃度に補給することで楽になることは、皆さんもよく経験があることと思います。いかにいくつかのビタミンの効果、役割を記載してみます。

ビタミンB1

2つの大きな働きをします。一つは私達が生きる上で必要不可欠なエネルギーを作る働き(糖質(炭水化物)をエネルギーに変換)、もう一つは神経細胞内に存在して、神経で使われるエネルギーを供給しています。

実は、中枢神経・末梢神経・脳は、糖質しかエネルギー源として利用できません。
このため、ビタミンB1が不足すると、イライラしたり精神が不安定になったりするなど、自律神経に乱れが生じます。俗に、甘いものをとると脳の働きが活発になるといわれていますが、これは糖分が脳でエネルギーを補給できるからです。この際、ビタミンB1が十分にないと糖が有効に利用されません。過度に不足すると、疲れやすくなるだけでなく、動悸、手足のしびれ、倦怠感などの症状を呈する脚気(かっけ)と呼ばれる状態になったり、心不全を引きおこす場合もあります。アリナミンで元気が出るのはこのビタミンB1の効果です。巷で言う、ニンニク注射とはこのビタミン剤の注射を言っています。

ビタミンB2

脂質からエネルギーを作るときに重要な働きをします。ビタミンB2は、脂質を燃やすときに酵素と結びついて(補酵素として)働きます。食品から摂取した脂質は、過剰になると脂肪として貯えられます。これも肥満の一因です。

ビタミンB2が不足して脂質が十分に燃焼されないと、エネルギー不足になるだけでなく、身体に脂肪がついて太ってしまいます。メタボで悩んでいる人やダイエットをしている人、運動量の多いアスリートの方々、単に食事量に注意するだけではなく、効率よく脂肪を燃やすために十分なビタミンB2摂取が必要となります。

また、ビタミンB2は、体内の活性酸素を取り除く抗酸化作用もあります。活性酸素は細胞を傷つけることで老化を早める作用があるため、活性酸素を取り除くことで老化の一因を取り除くことができます。抗酸化作用を持つビタミンにはビタミンCやビタミンEが良く知られていますね。

ビタミンB6

私達の身体を構成するのは主として、蛋白質、脂肪、水分です。食事を摂取して、腸から蛋白質を吸収するには、まず小さな分子のアミノ酸に分解してから吸収し、体内で再度組み合わせて、種々のタンパク質が合成されます。このとき必要になるのがビタミンB6です。体骨格となる蛋白質を効率よく身につけるには、蛋白質を含む食物の摂取と同時にビタミンB6の摂取も必要となるのは、この理由からです。

美容上:ビタミンB6は、上述したように蛋白質の合成に重要な働きをします。特に、新陳代謝の早い皮膚への影響が大きく、ハリやツヤのある、みずみずしいお肌を作るには、ビタミンB6がとても大切といわれています。また、大量に摂取すると、女性ホルモンのアンバランスからおこる、月経前症候群(PMS):生理前にビタミンB6の血中濃度が低くなることがあり、それが、肩こり、腰痛、イライラ感、気分の落ち込みなどの不定愁訴の一因となることが報告され、PMSにビタミンB6が勧められるようになりました。ピルを常用している女性では、服用していない人よりも多くのビタミンB6が必要になるとも言われています。

ビタミンB12

睡眠調節:人は通常、夜眠り朝明るくなると自然に目が覚めるという睡眠のリズムを持っています。これをコントロールしているのが脳から分泌されるメラトニンと呼ばれるホルモンですB12はこのメラトニンを調節し、睡眠リズムを保つ働きをしています。不眠症や時差ボケの解消に、ビタミンB12の大量摂取が有効とされるのはこのためです。
もうひとつ、ビタミンB12は、脳から末梢神経への神経伝達にかかわる重要物資であることがわかっています。腰痛や末梢神経症状の治療に使用されているのは神経伝達をよりスムーズにすることで痛みの軽減を図るためです。

ビタミンC

ビタミンCは数多くの作用を持つことで知られているビタミンです。その代表的なものを記載してみましょう。

1)抗酸化作用
私達の体内では、過度の運動やストレスがあると活性酸素が産生され、これが細胞障害を引き起こすことが知られています。ビタミンCは、活性酸素を分解する作用があり、その結果、免疫力を高め、病気の予防をしているとも言われています。一時、がんの治療にも高濃度のビタミンCが投与されたのも、この抗活性酸素の効果に期待したものでした。

2)美肌のために
日焼けして色黒になるのは、紫外線の刺激で皮膚にメラニン色素が沈着するからです。ビタミンCは、このメラニン色素を産生する物質を抑制する効果があり、日焼け後の色素沈着防止に使われています。しみやそばかすの原因は、メラニン色素が長期間沈着するためですから、これを予防除去すれば色白お肌が期待できるということになります。

3)抗ストレス作用
ストレスが体に働くと、体内ではこれに対処すべく抗ストレスホルモンと呼ばれるいくつかのホルモンが産生分泌されます。これはそれらストレスに対応するための生体反応で、その結果、血圧が上昇、脈は速くなり、血糖値は上昇します。動物で言う戦闘態勢に入っているわけです。ビタミンCは、これら抗ストレスホルモン産生に必要なビタミンであるため、ストレスにうまく対処していける体調を保持するためにも必要なビタミンといえます。

ビタミンE

抗酸化作用:皮膚の老化防止、若返りの肌のためにビタミンEにもビタミンCと同様、抗酸化作用があります。
ビタミンCと異なるのは、ビタミンEは細胞の膜を作る不飽和脂肪酸に含まれていることです。活性酸素が細胞膜に障害を与えると、細胞の老化が早まったり、癌化へのきっかけとなったりします。ビタミンEはこの活性酸素の酸化作用を制御することで、細胞膜を維持しています。ビタミンEが老化防止、若返りのビタミンと呼ばれているのはこのためです。

しみやくすみの予防にも効果があるといわれています。実際、抗がん剤治療中の方で、ビタミンCやビタミンEを多くとられている方が、色素沈着が少なく済むことはよく経験することです。ビタミンEを十分に摂っていれば、皮膚の酸化が抑えられ、結果的にしみやくすみが少なくなります。

血液中のビタミンEは、血管の内壁での活性酸素の働きを抑え、動脈硬化を予防することも知られています。脳梗塞、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の予防として注目されているのはこのためです。

ビタミンEと共に抗酸化作用がある、ビタミンCやβカロテン(ビタミンA)、ビタミンB2などを、多く摂ると美肌効果が高くなるともいわれています。とは言え、過剰に摂取するのは考え物です。一般的に、水溶性ビタミンであるビタミンBやビタミンCを過剰にとってもすぐ尿に排泄されるため、過剰摂取による副作用が問題となることは少ないのですが、脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKなどは副作用もありますので、過剰摂取には要注意です。

ビタミン剤はどんな効果があるの?