今年はあまり流行しないのではと思われていたインフルエンザですが、1月に入って猛威を振るいだしています。 1月12日までの1週間に、その前の週の2.7倍の患者数が報告され、これまでに約34万人がインフルエンザにり患したとの推定結果が報告されています。これまでは、西日本が中心でしたが、東京、神奈川、埼玉でも大幅に増加してきていますので要注意です。 |
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今年の傾向
インフルエンザA型は遺伝子分節の交換により大きく変化することで、新型インフルエンザとして大流行します。 2009年 メキシコで確認された豚由来のH1N1ウィルスは日本でも2000万の人が感染したといわれています。
2009年に新型インフルエンザH1N1pdmが流行するまでは、A型はH1N1(ソ連型) A H3N2(香港型)が主体で、これに2年に1度の割合でB型が流行、これら3種類のインフルエンザが季節性インフルエンザとして流行していました。今年の特徴は、A香港型が多いのはこれまでと同様ですが、2009年の新型インフルエンザH1N1pdmも増えている点です。
2013年第36~2014年第1週の18週間では、インフルエンザウイルスの検出は、AH3亜型(A香港型)の割合が最も多く、次いでAH1pdm09、B型の順となっており、予防接種が有効な菌の感染と思われます。詳細は国立感染症研究所感染症疫学センターホームページ(http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-inf.html#graph)をご覧ください。
インフルエンザ ワクチン
2013年度のインフルエンザHAワクチンには、A/California/7/2009(H1N1)pdm09A/Texas/50/2012(H3N2)、B/Massachusetts/2/2012(山形系統)、が含まれているものです。
H1N1pdm09は2012から同じ株、H3N2 及びB型は変更が行われています。
予防接種をされている方は 効果が十分期待できるはずです。
全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数は約34万人、30代が約6万人、20代、40代がそれぞれ約5万人、0~4歳、5~9歳がそれぞれ約4万人、50代が約3万人、10~14歳、15~19歳、60代、70歳以上がそれぞれ約2万人の順となっています。20-40歳台と働き盛りの人々に多いのも特徴です。
症状
潜伏期間1-3日、半日ほどの前駆症状に続き、突然の高熱、咳嗽、咽頭痛、鼻の症状、筋肉痛や頭痛などが生じます。また、下痢や嘔吐などの消化器症状を伴うこともあります。
急激に発症する高熱、咳嗽は診断に重要なポイントですが、微熱で風邪に似た症状のみの場合や、高齢者では微熱のみで衰弱が目立つものなどもあり、注意が必要です。
診断
日本では迅速診断キットで診断をつけ抗インフルエンザ薬で治療するのが一般的です。
迅速診断キットにも薬20種類のものが承認されており、その感度も様々です。亜系の鑑別はできませんが、動物由来を含む様々なA型インフルエンザとB型が検出できるといわれています。
非特異的な反応は少なく、特異度は高いため、陽性であればまず間違いなくインフルエンザ感染と判断できますが、感度は十分ではないため、陰性であってもインフルエンザを除外することはできません。また、発症6-12時間以内、発症後5日以降、ワクチン接種者では検出率が低くなるといわれています。一度の検査で陽性とならなくても、疑わしい場合には再度検査を受けてみるのも大切です。
治療
現在抗インフルエンザ薬には、内服薬のタミフル、吸入薬のリレンザとイナビル、点滴薬のラピアクタの4種類が認可使用されています。H3N2型では4剤に解熱時間に違いはなく、効果的ですが、B型ではA型に比較して解熱までの時間が長い傾向にあり、そのなかでは、ラピアクタが解熱に最早く解熱効果を発揮していたとの報告です。
今年は タミフル、ラピアクタに耐性を持ついH1N1型インフルエンザが報告されています。
お休み
インフルエンザにかかってしまった場合、“完全に解熱して2日経過したのち、及び 発症後5日を経過した後” が 厚生労働省の指針ですのでご注意ください。しっかり治して感染源にならないようにする注意も必要ですね。
詳細はクリニックでご相談ください。